最新更新!新型コロナ禍の中のあさましき人々(2020年7月~)

コロナ禍で年金運用に大赤字
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は7月3日、2020年1~3月期の運用が4半期ベースで過去最悪となる17兆7千億円の損失を出したことを発表した。GPIFは我々の公的年金の積み立てを株式投資に運用する組織で、その資産額は何と150兆円である。安倍晋三は「アベノミクス」の一環として、2014年に株式投資の割合を24%から50%に拡大している。つまり最大で70兆円を超える資金を株の操作に突っ込むことができるわけで、いわゆる「官製相場」の操作を可能にしている。道理で景気が悪いのに株価は上がっているわけだ。
ところが2020年になって、コロナ禍にともなう世界的株安の影響で、国が大損をしたというわけだ。これは健全な資本主義とは言えない。以前私はドラマで「社員の給料を払うために競馬で勝負に出た中小企業の社長」の物語を見たことがある。しかし、一国の首相がこのような危険極まりない政策で年金資金を市場に投資して儲けを狙い、株価を操作しているのを見ると、新自由主義経済の断末魔の声を聞いているようで絶望的な気分になる。会計検査院は2019年の調査報告書で、「GPIFは収益が減少するリスクについて国民に丁寧に説明する必要がある」と警告している。安倍政権はIR法によりギャンブルの胴元となって儲け、リスクが大きい株式の操作で儲けようとしている。19世紀フランスの王ルイフィリップは「株屋の王」というあだ名で呼ばれたが、われわれも、このあさましい人物を「株屋のソーリ」と呼ぶことにしよう。
▽「株屋の王」ルイフィリップ(ドーミエの風刺画)
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今じゃないでしょGo toキャンペーン
「Go toキャンペーン」とは、政府が個人の国内旅行代金の50%を支援し、そのうち35%分は代金から割引き、15%分は旅先で買い物、飲食に使える地域共通クーポンを配るというものだ。7月22日からとりあえず35%割引だけ実施することになっている。当初は8月実施だった計画が、7月に前倒しになったのだが、それを決定したのが東京で新型コロナ感染者が急増していた7月10日という奇々怪々。

5月25日、安倍首相は「流行をほぼ収束させることができた」と公言し、経済再生に向かって舵を切った。小池東京都知事も何だかよくわからない「東京アラート」を、何だかよくわからないうちに6月11日に解除したが、そのとたんに東京都内の感染者はじりじりと増加し、7月になると東京の感染者は1日に100人を超え、7月9~12日の間は連続して200人を超えた。小池知事は感染者数の増大を「夜の街関連の人々と若者」のせいにして市中感染の広がりを見て見ぬふりをし、何の対策も実行していない。その間、埼玉県などの首都圏各県でも明らかに東京由来と思われる感染者が増え続けている。

そんな中で政府は「イベント参加上限を5000人または収容率50%に拡大」などの自粛緩和と経済活性化策を打ち出し、7月中旬には「約10か国・地域と出入国制限緩和に向けた交渉」を開始し、そして「Go to」である。総合的な防疫対策など何もやっていない中で、経済活性化政策だけがまかり通っている。
菅官房長官は「市中感染は広がっていない」という認識の下で、7月以降の感染者の増大を「圧倒的に『東京問題』と言っても過言ではないほど、東京中心の問題になっている」と、感染者増大の責任を東京都に擦り付けるかのような発言をし、これに対して小池都知事は「冷房と暖房の両方をかけることにどう対応すればいいのか。整合性を取るのは国の問題だ」などと皮肉った。いやはや、リーダーとなるべき人が責任のなすり合いをしているのが日本の現実なのである。

日本では基本的な検査体制は相変わらず貧弱で、感染者を受け入れる病院も病床は大して増えておらず、再度の爆発的流行が来れば、支えるべき医療体制はたちまち崩壊することは目に見えている。特に地方都市は弱体である。「備えあれば患いなし」というが、肝心の備えはなく、逆に「Go to=出掛けなさい」によって国民に外出を促し、旅行を推進しようとしている。第1波の時と同じことが繰り返されようとしている。これでどうして安心して旅行に行けようか?どうして地方は観光客を迎え入れることができようか。

奇妙なのは「Go to」は、4月7日に予算案が閣議決定されていることだ。4月7日と言えば、政府が緊急事態宣言を出した日である。つまり、安倍政権は一方で「ステイホーム」(安倍首相も出演)の大合唱の中で、他方では「Go to=出掛けなさい」を決めたことになる。更に、当初8月実施であったはずのキャンペーンが7月に前倒しになったことも不可解だ。Go toキャンペーン総額は約1兆7千億円。業者への旅行割引の事務委託費だけで1900億円である。「これは何か裏があるのか?」と勘繰られても仕方がない。

全国の知事はGo toキャンペーンにこぞって疑問を投げかけている。青森県むつ市の宮下市長は次のように述べている。
「人が動かなければウィルスは動かない。ところがGo toキャンペーンは人を動かす。我慢してきたことが水泡に帰す。これで感染が拡大すれば人災だ。」「国や県がどういうキャンペーンをやろうが、市役所には市と市民を守る責務がある。来るリスクがあるなら閉じるしかない。法的にできることは最大限やる。」
ちなみに、これまでの、むつ市の感染者はゼロである。
山形県の吉村知事は次のように述べている。
「首都圏での新型コロナウイルスの感染状況などを踏まえると、この時期に全国一斉にスタートするのはいかがなものか。地方としては手放しでは喜べない。全国一律ではなく地域の実情に合ったやり方を地方に任せていただければありがたい」と述べ、ウイルスの感染拡大に懸念を示した。
大方の知事は同じような意見である。豪雨被災地の復興が緊急の課題になっている時に、政府は何と愚かな政策を推進しようとしているのだろう。本来ならば、外出する可能性のある首都圏の無症状感染者を割り出し、隔離しなければならないのに、政府は反対のことをしている。安心して旅行に行くことができ、安心して観光客を迎える時は今ではない。

結局Go toキャンペーンは東京を除外して7月22日から強行されることになった。ところが、今度はキャンセル料も国民が負担すべきかをめぐって大混乱。設計図も書かないでいきなり家を建て始めるような政府の無能ぶりがまたしても暴露されることとなったのである。
▽7月14日東京新聞の風刺画
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マスクは愛国的?
▽7月21日 フォード工場視察
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トランプ米大統領は7月20日、自身がマスクを着用したモノクロ写真をツイッターに投稿し、「他人と距離が取れない時、マスクの着用は愛国的だと多くの人が言っている」と書き込み、「私ほど愛国的な人物はいない」と強調した。
「マスクを好むか否かにかかわらず、マスクは効果がある。まさに今もマスクを持っている。持ち歩いているし、喜んで使う」(21日記者会見)
マスクは新型コロナウィルス感染症予防のためであって、愛国心とは無関係だ。米国の感染者数は現在385万人で前日から実に5万7千人も増加している。死者も14万人に達し、いずれも世界で一番多い(7月21日現在)。コロナ禍は一向に収束する気配はなく、トランプにとって、このままでは大統領選挙の大きなマイナス要因となる。マスクを付けない「ブラジルのトランプ」は遂に感染した。仕方なしに「愛国的」などと無理やり意味づけをしてマスク着用に至ったのだろう。勿論、今までマスクをしなかった誤りは認めない。愚者豹変す。

恥の上塗り・アベノマスク再配布計画
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政府が新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、7月30日から、介護施設などを対象に布マスク約8000万枚を追加で配布するという計画が明らかになった。今度は総費用247億円である。しかし、「税金の無駄遣い」「有難迷惑」という国民の批判はすさまじく、結局、配布時期を延期し、介護施設などの現場の意向を確認したうえで布マスクの支給を行い、必要とされない場合は備蓄に回すことになった。「恥の上塗り」とはこのことだ。あれほど不評で、国民の圧倒的な不信感を招いてしまったアベノマスクをなぜやめられないのか?

それは一度始めたものは、どんな批判があろうと実施するという、安倍政権の硬直した独善的な姿勢にある。そして、決して自分の誤りを認めず、勝手な理屈をつけて正当化し居直る。自分に不都合な証拠は隠蔽する。議会を軽視し、必要な論議はいいかげんに切り上げられる。思えば、安倍政権(第二次)の8年間はこの繰り返しだった。

8月3日、これまで意地になって(そう見えた)アベノマスクをし続けた安倍首相が、マスクを変えた。アベノマスクは「もうないことにしたい」のだろう。しかし安倍首相、合計約500億円の税金を愚策に投じた責任をどうするのかね?


臨時国会開催要求を拒否し逃げ回る男
8月3日に発表されたJNNの世論調査では、「コロナ対応などを話し合うため早期に臨時国会を『開くべき』との声は8割」にも達しているという。内閣支持率は35.4%で、不支持率は62.2%だった。7月30日には東京都医師会の尾崎治夫会長が会見を開き「議員に夏休みはない。すぐに国会で新型コロナ特措法改正などを審議すべきで、今が感染拡大を抑える最後のチャンスだ」と政府の無策を痛烈に批判した。野党は憲法53条に基づく臨時国会開会要求を出した。
ところが、「新型コロナ特措法の改正には時間がかかり、問題点の検証は感染拡大収束後になる」(菅官房長官)、「法案をどうするか聞いていない。何を審議するか大事だ」(森山国対委員長)と、この期に及んで国民の要望を拒否。森山国対委員長の言は「国会で審議すべき議案が無い」という言い訳なのである。これでは「国会を開けば野党に問題を追及され追い込まれる」からと勘繰られても仕方がない。
新型コロナ感染者が1日3000人を超えても緊急事態宣言などは出す気がなく、感染防止対策を何もせず、具体的方針は知事に丸投げ。おまけに「Go toトラベル」で感染拡大を助長する。安倍首相は通常国会閉会翌日の6月18日を最後に1カ月半の間、記者会見をせず、 国会の閉会中審査にも出席していない。もしも、病気ならば日本国のために、さっさと辞任したほうがよい。

林鄭月娥行政長官、コロナ禍を理由に選挙延期
 香港の林鄭月娥行政長官は7月31日、「緊急状況規則条例」を発動し、9月6日に控えた立法会選挙を1年間延期すると発表した。長官は新型コロナウイルスの感染拡大を理由に挙げ「政治的考慮はない」と強調したが、実際は過半数議席獲得を目指す民主派に対して、苦戦を見越した親中派が延期を画策したとみられる。政治的考慮が「大有り」なことは誰が見ても明らかである。北京の顔色を窺い、権力を維持するために見え透いた嘘をつく林鄭月娥行政長官はプチ独裁者になり下がったのか?

「ウソのような本当の話」と知事は語った今ココ
吉村大阪府知事は、8月4日の記者会見で、イソジンなどのうがい薬をズラリと並べて「ポビドンヨードで新型コロナに打ち勝てる!」と得意げに発表した。
 吉村知事の説明では、大阪府の宿泊療養施設で軽症患者41人に対し、1日4回、ポビドンヨード(イソジン)によるうがい薬でうがいを実施し、唾液によるPCR検査をおこなったところ、4日目にはポビドンヨードを含むうがい薬を使わなかったグループの陽性率は40%だったのに対して、ポビドンヨードを含むうがい薬を使ったグループは陽性率が9.5%に低下したのだという。
「コロナに効くのではないかという研究が出ました。」「このポビドンヨードによるうがい薬をすることによってですね、このコロナに、ある意味、打ち勝てるんじゃないかというふうにすら思っています。」
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この発表に対して、たちまち、ネット上で多くの医師、専門家から批判が起きた。日本医師会も「現時点ではうがい薬に対するエビデンスが不足」「国民生活の混乱を懸念」との見解を表明、WHOの直轄機関であるWHO神戸センターも「うがい薬の使用で新型コロナウイルスの感染を予防できるという科学的根拠はありません」との見解を公式ツイッターに投稿した。
今回発表された結果は被験者がわずか41人、論文にすらなっておらず、なんの検証も経ていなかった。首長が「ウソのような本当の話」などと言って、まるで事実かのように発表するなど、コロナ禍の中で不安が高まっている中、あまりにも無謀であり、、非常に危険だ。もし比較検証をするならば、「水道水でうがいをした群」「塩水でうがいをした群」などの実験もやらなければならないことは素人でもわかる。
案の定、これを見た国民は早速買い占めに走り、ドラッグストアの棚は空になり、ネットで高額で転売する者も現れた。
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慌てた吉村知事は翌日、「誤解されてはいけないことだが、うがいをすることで、体内に広がっているウイルスを抑えたり、予防できたりするわけではなく治療薬でもない。感染を防ぐ効果が認められたわけでもない」と自己弁護した。ならば最初からそう言いなさい。「誤解のないように・・」とね。国民は誤解してしまったのだから。
吉村知事は民衆に人気のある指導者のようだが、科学的根拠に欠ける主張で民衆を煽る指導者は、歴史的には「デマゴーグ」とよばれているので、そう言われないに注意しましょうね、吉村知事!それから、「それって大丈夫ですか?」と知事に問う記者は誰もいなかったのでしょうか?そのほうがコロナより恐ろしい。しっかり批判記事を書くように。


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