最新消息New!コロナ禍の中のあさましき人々

人は不安や恐怖に陥ると、防衛的になり、排他的になり、そして理性を失って凶暴になる。無知によりそれらは更に増幅される。権力者はおのれの権威を高めるため、根拠のない乱暴な政策を出したがる。そのような品性下劣な人々は新型コロナウィルスの世界的流行の中で本質が暴露され、「あさましき人々」として記憶される。

中国当局、新型コロナを隠蔽し告発者を弾圧》2020年1月
▽最初の告発者李文亮医師
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武漢の眼科医李文亮医師は2019年12月30日、SNSに「海鮮市場で7人がSARSと診断され、私たちの病院で隔離されている」と投稿し、コロナウィルス(当時はまだ「新型」であることは解明されず)の感染に警鐘を鳴らした。ところが数日後、「虚偽の情報を流した」として警察から出頭を命じられ、中国中央テレビ(中央電視台)からも「社会の秩序を破壊する行動を警察は許さない」と批判された。米国の人権団体によると、1月末までに「デマを流布した」として李医師を含む325人の医師や看護師が処罰された。
中国当局はこの間、事実を隠蔽し、平静を装った。
「国家、省市の流行病学調査によれば、今回の武漢の原因不明のウィルス性肺炎の病例の大部分は華南海鮮卸売市場で露見したもので、目下のところ、明確にヒトからヒトへ伝染しているという証拠はない。我々は更に一歩、流行病学調査と関係の実験室検査を展開する。この外に、現在打ち切っている医療従事者を含めた全ての密接な接触者は、いまだ関係する病例を発症していない。」(1月11日 武漢衛生健康委員会)
李医師は1月半ばに感染発病し入院、2月7日未明に死亡した。権力は決して謝らないし、おのれの過ちを認めようとしない。当局は真実を隠蔽し、このため新型ウィルスの伝染は歯止めが利かなくなった。この犯罪的な行為を誰が裁くのか?この問題の責任は武漢市政府だけでなく、中国の国家構造そのものに存在する。

県会議員が大量のマスクを転売
3月7日、静岡県会議員諸田洋之氏は2月半ば頃から2000枚セットのマスクを複数回にわたってネットのオークションに出品し、マスクは1回当たり数万円から数十万円で落札されていたことが報じられた。諸田議員はメディアに対し、マスクは自身が経営する貿易会社で仕入れたもので、転売にはあたらないと釈明した。
市民の代表として公正無私な行為を求められる議員が「惨事便乗型資本主義」的欲望に囚われる。まことに浅ましい行為である。

中国ウィルス・武漢ウィルス
ニューヨーク株式市場が大暴落となった3月17日、トランプ大統領はツイッターで「アメリカは、特に中国ウィルスの影響を受ける航空会社などの業界を強力にサポートします。私たちはこれまで以上に強くなります」と述べた。新型コロナウィルス感染拡大への対応が決定的に遅れたトランプ大統領は3月13日に国家非常事態宣言を発表し、対応の遅れの責任を中国に負わせようとした。ポンペオ国務長官も「武漢ウィルス」という言葉で続いた。「外国によって米国が汚される」という危機意識を国民に植え付け、自己の権威と米国第一主義を強化しようとしたのである。一般に疾病の名称には発生地域の名は付けない。それは民族や人種に対する憎悪犯罪(ヘイトクライム)につながるからである。実際、この発言以後、全米でヘイトクライムが多発した。全世界が一致協力してウィルスと戦わなければならない時、あえて対立を持ち込むトランプはまことに浅ましき大統領である。

ウィルスを故意にうつした男
3月18日、愛知県蒲郡市で新型コロナウィルスへの感染が確認された57歳の男が、自宅待機をせず、「ウィルスをうつす」と家族に話した後、市内の飲食店に立ち寄っていたことが明らかになった。実際に、店の従業員一名が感染させられた。男は間もなく新型コロナウィルス肺炎で死亡した。
この男性は人生の最後に人間としての誇りをすべてを失い「ウィルスをうつした男」の汚名を着せられることになった。彼は癌を患っていたと聞くが、「自暴自棄」という行動理由を付与するにはあまりにもあさましく悲しい。

首相夫人、タレントと花見
3月27日、都内で花見の自粛が呼びかけられている中、昭恵夫人がタレントと飲食、花見をしていたことが発覚した。安倍首相は、夫人が花見をしたのは公園ではなく、「都内のレストラン」で、「知人と会合した」後、みんなで敷地内の桜を背景に記念写真の撮影をした」と苦しい釈明をした。要するに「東京都が自粛を求めているような花見の宴会」ではないということのようだが、多数が集まっての宴会が感染源になった事例が多く見られる現在、安倍首相の夫人擁護は極めて見苦しい。
追記:4月16日発売の「週刊文春」によれば、昭恵夫人は3月15日、総勢50人ほどの団体で大分県にある宇佐神宮や宇佐神宮の元宮・大元神社を参拝した。昭恵夫人が宇佐神社を訪れた3月15日の前日に、安倍首相が「いま私たちにできることは、まず感染の爆発的な拡大を抑えること」「引きつづき、おひとりおひとりのご協力をお願いいたします」と述べていたのである。もはや、はっきり申し上げたい。「馬鹿に付ける薬はない」と。

コロナ差別
4月8日、新型コロナウィルス感染拡大地域に仕事で往来する運送業の保護者に対し、新居浜市の小学校の校長が、児童を自宅待機させるよう伝えていたことが分かった。市教育委員会の助言を受けた対応で、2家庭の新入生1人を含む3人が実際に欠席した。勤務先の会社が学校と市教委に「職業差別につながりかねない」と指摘。市教委は判断を修正し、学校側は保護者に謝罪した。(愛媛新聞電子版)
「感染拡大地域」といえば首都圏や大阪、兵庫だ。そこで働いている人々は皆ウィルスに汚染されているのか?「地域を守る」ための狭隘な排外主義を感じる。
運送業に携わる労働者に対する差別が広がっている。彼らはライフラインを支える仕事をしているにもかかわらず、ウィルスに対する恐怖と無知から彼らを排除しようとする。しかも新居浜の場合は、子どもの教育を受ける権利まで奪っている。判断を誤った校長と的確な指示ができなかった市教委はまことにろくでもない人々である。正しく知り初めて正しく行動できる。約百年前の関東大震災時に「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んでいる」というデマの拡散により朝鮮人大虐殺が引き起こされたが、このままでは、その時代から人々の意識が一歩も進歩していないことになる。

セクシーキャバクラと呼ばれる飲食店に行った国会議員
立憲民主党の高井崇志衆院議員が緊急事態宣言が出された2日後の4月9日、東京・歌舞伎町の「セクシーキャバクラ」を訪れていたことが分かった。
私的な趣味でそのような場所に行くことには反対しない。しかし、高井議員は二つの許されない行為を働いた。一つは勿論、緊急事態宣言で「不要不急」の外出自粛要請が出たばかりなのに模範となるべき国会議員自らこれを破ったこと。もう一つは彼が国会で安倍首相に「危機感が無い」と意見していることである。
「私はですね、このやっぱり総理の危機感の無さがですね、国民の皆さんを不安にしているし、あるいは政府の対応も後手後手に回っている原因だと思っているんですよ。・・・・総理がね、対策会議の後とかに夜会食をされていますよね。・・・今民間企業が飲み会自粛にどんどんなっているんですよ。こういう状況の中でですね、総理が(2月12日以来)11日中9日間会食っていうのは・・・私はちょっと異常だと」
総理が異常?危機感が無い?どの口が言うのか?高井議員のような人物を偽善者あるいは下衆野郎と言うのである。

天網恢恢・神戸西警察署長・副署長
4月13日、神戸西警察署長と副署長の感染が確認された。神戸西警察署では、3月27日に署長や副署長など幹部7人が飲み会(歓迎会)を開いていて、副署長は当初「飲み会はしていない」と説明していた。
市中の警備に立つ警察官はウィルス感染の危険性が高いという。しかし、この二人は警察署の最高幹部だ。「さては・・」と思っていたらやっぱり出て来た。彼らは当初嘘をついて責任を免れようとしたが、そこは「天網恢恢疎にして漏らさず」だ。嘘をついたという小さな悪事でも天罰を免れることはできない。兵庫県警は13日付けで署長・副署長を交代させる人事を発表した。しかし、理由は「治療に専念させるため」だそうである。

米国、WHOへの資金拠出を停止
トランプ大統領は4月14日の記者会見で、世界保健機関(WHO)への米国の資金拠出を停止すると発表した。トランプは新型コロナウィルスへの対応をめぐり、WHOの運営が中国寄りになっていると批判していた。
トランプの言いたいことは分かる。中国政府は武漢における感染流行初期の状況を隠蔽し、WHOがそれに追随したため、パンデミックを防ぐ事ができなかったと。しかし、資金拠出停止はトランプの大統領としての責任(ウィルス対策の遅延)をWHOのせいにするためのものである。この行為により米国は自国中心主義をますます先鋭化させることになる。朝日新聞つぎのような記事があった(「コロナ危機と世界」2020.4.14)。
「G・Wブッシュ政権は03年にエイズ対策で世界最大級の健康イニシアチブに乗り出した。これまで米国は800億ドル(約8兆6千億円)を投じ、アフリカを中心に推計1300万人の命を救ったとされる。オバマ政権は14年、西アフリカで猛威をふるうエボラ出血熱への対応のため、国際会議を米国で開催、国連安保理では感染国の孤立を防ぐため、加盟国に渡航者の入国制限の撤廃を求める決議を主導した。」
過去の米大統領の感染症対策と比べ、トランプ政権は異常である。国際的な連携よりも自国を優先させるトランプの政策は、第二次世界大戦後一貫して存在した「アメリカの世紀」の終焉を意味する。新型コロナウィルスが国際協調主義を最終的に葬ったといえる。

どさくさにまぎれて1・中国共産党
香港警察は4月18日、元民主党主席の李柱銘氏ら民主派のリーダー15人を一斉逮捕した。逮捕容疑は当局が許可しなかった昨年10月のデモに参加したことだという。世界の目が新型コロナ対策に向けられているのを隠れ蓑に、突然打ち出された強硬策。中国共産党は卑劣な権力者集団に成り下がっている。

どさくさにまぎれて2・防衛省》
4月21日、辺野古の米軍基地建設予定地の軟弱地盤問題で、防衛省は当初計画を見直し、設計変更の申請を行った。コロナ禍で現地での反対運動が休止していることに乗じた国の卑劣な策動である。「今、申請するのは、力づくでも沖縄をねじ伏せて工事を進めるという国の思惑が透けて見える。申請よりコロナの感染を防ぐことが先だ」(芥川賞作家・目取真俊氏)(以上東京新聞)

岡村隆史の女性差別発言
4月23日(木)深夜放送の「ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン」で、パーソナリティの岡村隆史氏は、女性を「性奴隷」としかみないような悪質な差別発言を行った。以下はその詳細である。

 まず、「コロナの影響でしばらくは風俗に行けない」とリスナーから「悩み」のメールがあった。岡村の「風俗通い」は有名らしい。
岡村は次のように答えた。「いまは辛抱。『神様は人間が乗り越えられない試練は作らない』って言うてはりますから。ここは絶対、乗り切れるはずなんです。コロナが収束したら、もう絶対おもしろいことあるんです。収束したら、なかなかのかわいい人が短期間ですけれども、美人さんがお嬢(風俗嬢)やります。短期間でお金を稼がないと苦しいですから。そうなったときに今までのお仕事よりかは、ちょっと。僕、これ3カ月やと思てます、苦しいのは。3カ月の間、集中的にかわいいコがそういうところでパッと働らきます。で、パッとやめます。え?こんなコ入ってた?っていうような人たちが絶対入ってきますから。はい。だから、いま、我慢しましょう。いまは我慢して、風俗に行くお金を貯めておき、そして仕事ない人も切り詰めて切り詰めて、そのときのその3カ月のために頑張って、いま、歯を食いしばって踏ん張りましょう」

岡村の思考は次のようなる。コロナ禍で人々の収入が減少する⇒苦境に立った女性が短期間で収入が得られる性風俗業に走る⇒「かわいい人」「美人」が入って来る⇒そこが「ねらい目」になるので今は我慢だ。
なんという浅はかで卑劣な思考だろう。岡村はコロナ禍で女性が苦境に立つのを喜んで(期待して)見ている。そして苦境に立った女性は性風俗業に就かざるを得なくなるだろうという、「吉原の遊女」時代から存在した「性奴隷としての女性」観を肯定している。これは断じて「コロナ禍に対する認識の不足による発言」(ニッポン放送の謝罪文)ではない。また、「風俗差別」でもない。女性を「性奴隷」としか見ないあさましい態度である。

スーパーが混むのは女性の買い物が長いため?
4月23日の記者会見で、スーパーでの混雑防止策に関して松井大阪市長は、「・・・・やっぱり、女の人が行くとね、それはもちろんなんだけど、色々商品とか見ながら『これはいい』『あれがいい』とか時間かかる」と述べた。
「女は買い物が長い」という偏見から生まれる今時珍しい究極の女性差別。公的な場で発言すべき内容ではない。買い物が長い男だって一杯いる。政治家の感覚は庶民とは著しくずれている。

やっぱり出て来た。首相のコロナ禍に便乗した改憲発言
5月3日、安倍首相は改憲を推進する民間団体のオンライン集会に、次のようなメッセージを寄せた(抜粋)。
・・・・今回のような未曾有の危機を経験した今、緊急事態に国民の命や安全を何としても守るため、国家や国民がどのような役割を果たし、国難を乗り越えていくべきか。そのことを憲法にどのように位置づけるかについては、極めて重く、大切な課題であると私自身、改めて認識した次第だ。自民党が示している改憲4項目にも「緊急事態対応」は含まれるが、まずは国会の憲法審査会でじっくりと議論を進めていくべきだ。・・・・・・・・
感染拡大防止策の遅れや不備の原因は現行憲法にあるのではない。安倍政権の政治能力の問題であることは、これまでの政府のコロナ対策を見ればわかることである。コロナ禍のような緊急時における私権制限は現行法でできる。自民党が2018年に緊急事態条項の新設を含む改憲4項目あとめた後、安倍首相は自衛隊の9条明記にこだわり、緊急事態条項をあまり重視してこなかった。しかし今、「チャンス到来」とばかりにコロナ禍に便乗して改憲手続きを推進して行こうとするその様は、まことに場当たり主義的であさましい。

どさくさにまぎれて3・「検察人事」法改正
衆院内閣委員会は5月8日、検察官の定年を63歳から段階的に65歳に引き上げる検察庁法改正案の審議を強行した。国民がすぐに思い出すのは、「安倍政権の守護神」と揶揄された黒川弘務東京高検検事長の定年延長問題である。お気に入りの検事長を検事総長に就任させるため、安倍政権は司法の人事に介入し、黒川の定年延長を「後付け」して、検事総長就任を正当化するという狙いがミエミエである。改正案の中で「内閣判断で『役職定年』を最長3年間延長できる」と付け加えたのはその証左である。安倍晋三の意を受けて官僚たちが「忖度」したにちがいない。いつもの手口だ。
安倍晋三は「今回の改正により三権分立が侵害されること、恣意的に人事が行われることは全くない」(2020.5.14)とうそぶいているが、黒川検事長定年延長という恣意的な人事が既に行われているではないか。それに合わせる(追認)ために法制化が行われているのである。
官僚たちにとって、人事は「闇の帝王」だ。思い起こせば安倍は2013年、内閣法制局長官人事に介入し、解釈改憲で集団的自衛権行使を容認できると言っていた外務官僚の小松一郎氏を抜擢した。こうした人事面での掌握により、安倍政権は独裁的権力を固めていったのである。新型コロナ対策ですべて後手後手に回っていた安倍政権だが、自己保身のためには「スピード決着」する。コロナ禍のどさくさにまぎれて公益を無視し私欲に走る。安倍晋三は何と卑しい男なのか。
▽東京新聞の風刺画(2020.5.16)
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(元検事総長らの反対意見書より2020.5.15)本年2月13日衆議院本会議で、安倍総理大臣は「検察官にも国家公務員法の適用があると従来の解釈を変更することにした」旨述べた。これは、本来国会の権限である法律改正の手続きを経ずに内閣による解釈だけで法律の解釈運用を変更したという宣言であって、フランスの絶対王制を確立し君臨したルイ14世の言葉として伝えられる「朕は国家である」との中世の亡霊のような言葉を彷彿とさせるような姿勢であり、近代国家の基本理念である三権分立主義の否定にもつながりかねない危険性を含んでいる。(松尾邦弘氏ら検察OB14人による)
「中世の亡霊のような言葉を彷彿」という検察OBの厳しい非難を安倍晋三はどう思うのか?
(追記:見送り)2020.5.19 安倍晋三は18日、検察庁法改正案の今国会での成立を断念することに決めた。「国民の理解なくして前に進むことはできない。批判にしっかり応えていくことが大切だ。これからも責任を果たしていきたい」だそうである。しかし、法案は秋の臨時国会に再提出される。黒川氏も定年延長されたままである。国民はこの法案のからくりを知ってしまった。再提出されれば、国民の怒りは爆発し、自民党政権は終焉を迎えるだろう。

トランプの食肉加工企業操業継続命令》(2020.5.18東京新聞より)
米食肉加工工場が新型コロナウィルスの集団感染で閉鎖に追い込まれている。4月末までに19州の115工場で労働者6500人が感染し、20人が死亡している。食肉最大手タイソン・フーズのアイオワ工場は従業員の約6割にあたる700人以上が陽性で閉鎖した。
ところがトランプは朝鮮戦争時に制定された国防生産法を食肉企業に適用し、工場の操業を続けるように命令している。「不必要な閉鎖は食品の供給網に大きな影響を与える」というのだ。食肉工場はヒスパニック系、黒人系、アジア系労働者が全体の6割以上を占め、安全対策も不十分なまま集団感染の危険にさらされながら働かされている。
トランプが国防生産法を食肉企業に適用するという異常な命令を出した背景には、大統領選への影響がある。食肉工場の閉鎖は米中西部でトランプを支持してきた畜産農家に打撃を与える。また、肉不足や値上がりは中低所得の有権者の失望を招きかねないということだ。
自己のコロナ対策の失敗を糊塗し、国民の生命を危機に陥れても権力の維持を図るトランプは、まことにろくでもない男である。

黒川検事長、緊急事態宣言下に賭けマージャン
2020年5月20日掲載の週刊文春電子版で、安倍内閣の「守護神」黒川弘務東京高検検事長が、新聞記者らと賭けマージャンをしていたと、報じられた。記事によれば黒川氏は5月1日夜及び13日に都内の産経新聞記者宅で賭けマージャンをしたという。私的な時間に趣味としてのマージャンを否定するつもりはないが、誰でも思いつく問題点は3つ。
・法の「元締め」である検事長が刑法で禁止されている賭け事をしていた。
・緊急事態宣言下で「三密」の代表的行為を堂々と行っていた。
・政治権力とメディアとの癒着
wikiによれば「趣味は犬の散歩と麻雀」とある。黒川氏がマージャンをした5月1日は小池都知事の「ステイホーム週間」の最中、5月13日は、緊急事態宣言下、検察官の定年を政府の判断で延長できるようにする検察庁法改正案が衆院内閣委員会で審議されていた時で、渦中の人物である黒川氏がのうのうとマージャンをやるという神経が理解できない。これが「余人をもって代えがたい人材」なのか?まことにあさましい人物であり、即刻、懲戒免職にされるべきだろう。黒川氏の命運はこれにより尽き、彼を重用して人事介入した安倍晋三の威光は地に落ちたというべきである。安倍よ、責任逃れなんかするなよ。

5月21日、安倍の「桜を見る会」に関して、600人以上の弁護士や学者が、後援会主催の前夜祭は公選法違反と政治資金規正法違反の疑いがあるとして、安倍首相本人を東京地検に刑事告発した。検察はぜひ汚名挽回のため捜査を進めて欲しいものだ。
最後に、黒川氏の賭けマージャンに付き合った新聞記者(産経2人、朝日1人)を見れば、権力側と記者達との底知れない慣れ合いと癒着を感じる。(朝日新聞は記者ではなく社員)

黒川氏の軽い処分は官邸の指示だった》2020.5.25
 賭けマージャンで検事長を辞職した黒川弘務氏。結局、「訓告」という軽~い処分を貰い、本人は辞職ということで幕引きを図ったが、実はこの「訓告処分」は官邸からの指示であることが判明した(2020.5.25東京新聞)。これまで安倍晋三は「検事総長が事実の内容など、諸般の事情を考慮し、適切に処分を行ったと承知している」と繰り返し答弁していた。

検事総長がですね検事総長が、事実、事案の内容等、諸般の事情を考慮して処分をおこなったわけでございまして、検事総長が、このように処分をしていくということについて、この判断をしたということについて、森法務大臣もそれを了承したということについて、私に報告があったわけでございまして、その判断について、これはもうすでに、検事総長が判断をしていることでもございますから、私も諒としたということでございます」(5.22衆院厚生労働委員会における安倍首相答弁)

しかし、これは嘘で、法務省側が「懲戒が相当」と判断し官邸と協議したが、官邸側の意向で「訓告」になったという。安倍は黒川問題の責任を稲田検事総長と法務省に押し付け、逃亡しようとしていることは明白である。責任の根源は、安倍が法解釈を捻じ曲げ、黒川氏の定年延長を決定し、彼を検事総長の座に就けようとしたことにある。国民はこのからくりを知ってしまったのである。この期に及んでも安倍晋三のあさましさは変わらないようだ。

「アベノマスク」着用強要未遂事件
埼玉県深谷市の市立某中学校では、5月22日、3年生の臨時登校日の際、「次の登校日の27日の持ち物として『アベノマスク着用』(別のマスク着用生徒については携帯しているか)の確認」という文書が配られた。「個別指導」の欄には「アベノマスク(着用または持参)を忘れた生徒は少人数教室に残る」とも書かれていた。内容に驚いた保護者がが学校に問い合わせ、撤回を求めた。しかし学校側は「国から配られたものなので着用すること」と応じず、「アベノマスクなら全員が所持している」「華美なデザインのマスクでアピールすることがないようにとの意味もある」などと説明した。(東京新聞5.26)
結局、深谷市教委が「強制の不安を与える表現があった」として中学校側に対応を要請し、学校側も「各家庭でご用意いただけるマスクでかまいません」と保護者に連絡し、謝罪した。
・・・「アベノマスク」という言葉は安倍首相のコロナ対策を揶揄した意味を含んでいるものと思われる。それを何の疑問もなく公的な文書に使うなんて、この学校の校長、職員の見識を疑う。おまけに生徒の服装と同じようにマスクを統一しようという意図も感じられる。恐らく黒マスクとか親の手造りの個性的マスクを排除したかったのではないだろうか?このまま行けば、服装規定に「マスクは白を基調とし、デザインはワンポイントまで」なんていう愚かな文が追加されたことだろう。学校はマスクの種類なんかにこだわらず、「もし、発熱した生徒が出たら、どのように対応するのか」を職員全体で徹底させることが大事なはずだ。大事なのはマスクの形でなく人間の命である。

トランプ、WHO離脱
トランプは2020年5月29日、世界保健機関(WHO)からの脱退を表明した。米国内174万人の新型コロナウィルス感染者、10万人を超す死者を出している責任はトランプ大統領のコロナ対策の決定的遅れにある。その責任を中国とWHOになすりつけ、決しておのれの非を認めず、中国批判、WHO批判を大統領選のための世論の誘導に利用しようとする姿はまことにあさましい。英医学誌ランセットの編集者、リチャード・ホートン氏は、「狂気と恐怖が同時に来た」 「米政府は人道上の緊急時にならず者になった」と述べた。

今まで、ならず者のトランプは国際的な数々の約束事を破壊し国際社会に混乱を生み出してきた。まとめてみよう。
2017年1月:環太平洋経済連携協定(TPP)離脱。
2017年10月:国連教育科学文化機関(UNESCO)から脱退。「ユネスコは反イスラエル的偏向を続けている。」
2018年6月:イラン核合意からの離脱発表。中東に新たな混乱を生み出す。
2018年10月:中距離核戦力(INF)全廃条約破棄宣言。中国を含めた新たな軍拡競争へ。
2019年11月:パリ協定離脱正式通告。

新型コロナに対するトランプの発言もまとめてみよう。(東京新聞4.14)
1月21日:米国で初の感染者
  22日:「完全にコントロールされている。」
2月27日:「ある日、奇跡のように消滅する。」
3月9日:「昨年3万7000人死んだインフルエンザでは何も閉鎖されていない。それを考えるべきだ。」
  10日:1日の感染者が300人を超える。
  11日:欧州から入国禁止を発表。(👈時すでに遅し)
13日:国家非常事態宣言(👈時すでに遅し)
  17日:「前からパンデミックだと思っていた。」
  19日:1日の感染者5000人を超える。
  24日:「4月12日の復活祭までに元通りに。」
アメリカ人はトランプを大統領の座から引き下ろすべきだ。今すぐに。

官房長官の言い逃れ
安倍晋三が布マスクの全世帯配布を言明したのが4月1日。それから待てど暮らせど、マスクは国民に届かない。海外で急いで作らせ、「質より量」とばかり搔き集めたので、欠陥品が大量に出現し、慌てて検品作業をやるというていたらく。そのうち、5月の連休が終わると、マスクの供給が需要に追いつき、店頭でも入手しやすくなった。布マスクは「アベノマスク」と揶揄され、その名はすっかり国民に定着。大金をかけた政府の無謀な計画は、旧日本軍の「インパール作戦」にも例えられる有様だ。

ところが菅義偉官房長官は、5月20日の記者会見で「品薄状態が解消され、店頭の値段も大幅に安くなった」と、布マスク配布の計画が品薄解消に役立ったとする持論を展開した。さらに同28日の会見では「次なる流行にも十分反応することができるよう、国民が保有することに意義がある」と、第二波への備えという新たな目的を打ち出した。
 首相も、緊急事態宣言の全面解除を発表した同25日の会見で「仮に国民全員が毎日、使い捨てマスクを利用すると、需要は月30億枚を超える」と、布マスク配布で需要を抑える意義を強調した。

権力は絶対におのれの誤りを認めないものだ。当初、マスク配布の目的は「品薄対策」だったはずだが、5月下旬にはいつの間にか「再流行への備え」に変わっている。これは批判を回避するための言い逃れにすぎない。かつて、安倍晋三は森友問題が発覚した時、「妻が森友学園問題にかかわっていたら、総理だけでなく国会議員も辞める」と言明した。ところが、関連文書隠蔽・改ざんの事実が露呈すると、「私も妻もかかわっていないというのは、贈収賄はしていないという意味で申し上げた」(2018.5)と述べた。権力への批判は政策の間違いを防ぐために必要だ。アベノマスクは間違った政策だ。しかし、安倍は批判に対しては病的に反発し、嘘をつき言い逃れをする。菅官房長官も今やすっかり「安倍流嘘つき免許皆伝」だ。見苦しいったらありゃしない。
▽朝日新聞より
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トランプ、聖書を掲げポーズ》2020年6月1日
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6月1日、トランプはワシントンの聖ジョーンズ教会に赴き、教会前で聖書を片手にポーズを取り治安回復をアピールした。その直前、広場にいた黒人暴行死に抗議するデモ参加者は警官隊の放つ催涙弾で蹴散らされていた。イエズス会のジェームス・マーティン牧師は、国民に対して軍を出すと脅かしながら聖書を振りかざす行為が、「イエスの教えに反する」と批判した。「聖書は小道具ではない。宗教は政治的手段ではなく、神のおもちゃではない」と断じた。
この男は口先で神を敬いながら(キリスト教福音派)、その心は遠く神から離れている。神に一番近いと称する者は神から一番離れているのである。このような者を偽善者という。


コロナを理由に追悼集会禁止・香港》2020年6月4日
毎年行われている、天安門事件が起きた6月4日に合わせた香港での犠牲者追悼集会。それを香港警察は不許可とした。理由は「新型コロナウィルスの感染防止」で、9人以上で集まることを禁止する措置を2週間延長するものである。しかし、これは表向きの理由で、真相は、5月28日の北京の第13回全国人民代表者大会で決議された「香港国家安全法」に対して、香港市民の反対運動が広がることを取り締まるためのものであることは明白だ。6.4追悼集会は民主化の象徴だから北京は断固として抑え込む必要があるということだ。まことに習近平のやることは強引で非道である。
「香港国家安全法」とは、香港立法会を通さず、中国政府が直接香港市民を取り締まろうとするもので、その対象は国家分裂、政権転覆、テロ活動、外国政府の干渉である。これで政府は恣意的な解釈で市民を逮捕することができるようになる。この法律が施行されれば、昨年「逃亡犯条例」をきっかけに盛り上がった空前の民主化運動は大弾圧を受けるだろう。香港の「一国二制度」は事実上終わりとなる。
香港民主派のリーダーの一人である李卓人氏は次のように語った。

 香港は「1国1制度」という新しい時代に入ったと思います。以前は曖昧な「1国2制度」だった。その後、曖昧に「1国1.5制度」に変わって、ゆっくり自由が失われて行ったのです。来年には国家安全法が施行されてしまいます。その概念は「国家転覆罪」です。しかし、何がその罪に値するか決めるのは中国共産党なのです。天安門事件の真相を追及することが罪になるかも知れません。
中国本土は暗黒に包まれています。香港だけがキャンドルを灯すことができるのです。みんな6月4日のキャンドルナイトと民主運動が、香港の1国2制度がまだ存続しているかどうかの象徴であると思っています。どうなったとしても、私たちはビクトリアパークに行きキャンドルを灯し続けます。集会を禁じられても私たちは追悼を続けて行きます。

6月4日の夜、集会は8人で行われたが、大勢の市民が参集して来て、共にキャンドルを灯した。「毋忘六四 人心不死」(六四を忘れるな。人心は死なず。)
《追記》中国の全国人民代表大会・常務委員会の会議は30日、中国政府による香港の統制強化を目的とした「香港国家安全維持法」案を全会一致で可決した。(2020.6.30)

コロナ死者数が少ないのは「民度」の差だと?
6月4日の参院財政金融委員会で、麻生太郎は、日本の死亡率が少ない理由を尋ねる海外からの電話があったと明かした上で、「そういう人達の質問には『お宅とうちの国とは国民の民度のレベルが違うんだ』と言ってやると、みんな絶句して黙る」と自慢してみせた。
「絶句した」のは相手があきれたか、怒ったかのどちらかだ。麻生太郎の発言は、次の4つの誤りの集大成である。
①確かに欧米に比べれば日本の死亡率は非常に低い。しかし、人口100万人当たりの死者数は日本は7.1人、韓国5.3人、中国3.2人、台湾とタイは1人未満と、アジアで比べればフィリピンの7.2人に次いで2番目に多いのである。麻生の論法に従えば、日本の民度はアジアでは台湾、タイ、中国、韓国以下となる。それでよろしいか麻生君。
②日本(アジア)の死者数が欧米より少ない理由は科学的には明らかになっていない。ノーベル賞受賞者の山中伸弥氏は、その謎の理由を「ファクターX」と呼び、「高い衛生意識」「BCG接種」「ウィルス遺伝子変異」など7つの候補をあげているが、いずれも仮説である。
③「民度」とは一般に、特定の地域・国に住む人々の平均的な知的水準、教育水準、文化水準、行動様式などの成熟度の程度を指すのであって、麻生の使う「民度」はかなりいいかげんである。もしも、「高い衛生意識」を指すのなら「生活様式」と言うのが正しく、BCG接種や国民皆保険を指すのなら「制度」というのが正しい。彼のこれまでの舌禍の多くは無知と偏見と語彙の少なさに由来しており、それは漫画ばかり読んでいるからと思われる。
④こうした根拠のない軽薄な発言を、国会の場で行うことは議会を冒涜するものである。この発言はまるで居酒屋のおやじの会話だ。

麻生の「民度」発言は、特に3.11以来顕著になった「クールジャパン」「日本スゴイ」現象を反映している。つまりゆがんだ民族主義だ。コロナ禍の中で、国民からすっかり信頼を失った内閣のメンバーが、手前勝手に考えた「民度」に救いを求めるなんて、あさましくもあり悲しくもある。麻生君、民衆を最も軽蔑していたのはキミじゃないのかね?
▽東京新聞(2020.6.6)より
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ボルソナーロ、累計感染者数と死亡者数の公表をやめる》 
 ブラジル政府は6月6日、新型コロナウイルスの累計の感染者数や死者数の公表をやめ、回復者数と新規の感染者数、死者数だけ表示することを決定した。地元メディアは感染拡大を隠す意図があるとして批判を強めている。ボルソナーロ大統領に解任されたマンデッタ元保健相は「データの非公表は、政府はウイルスより有害だということを意味している」と語った。6日までのブラジルの感染者は累計で64万5771人、死者数は3万5026人。感染者数は米国に次ぎ世界で2番目、死者は米英に次いで3番目に多い。経済を重視するボルソナーロ氏は、外出自粛に反対するなど対策に後ろ向きで、感染拡大を招いたと批判されている。
・・・新型コロナの感染者は都市部の貧困層の居住地域やアマゾン流域の少数民族にまで広がっている。ボロソナーロにとって感染者数、死者数の増大は、おのれの無策により招いた結果であることを、国民に知らせたくないのだろう。情報隠蔽、情報操作をしているつもりだろうが、新規の感染者数、死亡者数は公表されるようだし、各州の情報も世界に伝えられるはずだから、累計も分かるかずだ。
次にボロソナーロがやるのはメディア抑圧と情報支配か?そうなれば彼がファシストであることは確定だ。
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《追記》ボルソナーロは7月7日、新型コロナウィルスに感染した。この犯罪的な指導者は政権の座から降りてもらうしかないだろう。

政商・竹中平蔵の惨事便乗型資本主義
新型コロナの影響で売り上げが減った事業者に最大200万円を援助する「持続化給付金」。担当する経済産業省はこの事業の実施を、民間の「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」という営業実績のない「トンネル会社」に丸投げした。その「サービスデザイン協議会」の「下請け」となったのが広告大手の電通。その電通とともに人材派遣大手の「パソナ」の名前もあがっていた。「パソナ」は申請サポート会場での入力代行や受付などの業務を担当している模様だ。「ちゃっかり国の仕事に割り込んで、ここでもキミは儲ける気だな」と私は思った。
キミの名は「パソナ」会長竹中平蔵。早速、竹中氏の「業績」を概観してみよう。

小渕恵三内閣(1998-99)で経済政略会議委員として派遣労働の拡大を主張した。
小泉純一郎内閣(2001-06)経済財政担当相、金融担当相として新自由主義を唱え、規制緩和、構造改革を推進。2003年には改正労働者派遣法を成立させ、これが非正規労働者拡大のきっかけとなった。
2007年、「パソナMIC」の特別顧問に就任→2009年「株式会社パソナグループ」会長に就任
2013年1月、第二次安倍晋三内閣の下、日本経済再生本部の「産業競争力会議」の民間議員となる。
2014年1月から、内閣府に置かれた、国家戦略特区の特区諮問会議メンバーとなる。
2020.5「スーパーシティー法」成立。竹中氏は国の有識者懇談会の座長を務めた。「もっと早く成立していれば、今のコロナ危機への対応も違っていただろう」と語る。

竹中氏はアベノミクスの中心軸となっている「国家戦略特区諮問会議」のメンバーだが、神奈川、大阪に「特区」として制定された「外国人による家事代行サービス」の事業応募者でもある。つまり自分達で提案し、自分達で事業応募者になるという、驚くべき利益誘導システムを作り上げている。竹中氏は同じく安倍政権が「特区」として立ち上げた加計学園獣医学部問題に対して「一点の曇りも無い」と擁護している。「聖域なき構造改革」の旗振り役として小泉政権に取り入って以来、彼ほど政治権力との癒着ぶりを批判された人物はいないだろう。そして「聖域なき構造改革」結果はどうなったか?非正規労働者は2019年には2165万人となり、被雇用者に占める割合は実に約4割となった。彼らは低賃金労働に従事し、不況の際は「人手調整」のため首切り、雇い止めの苦境に喘いでいる。コロナ禍で真っ先に窮地に陥ったのは彼ら非正規労働者であった。

2019年4月1日に施行された改正入管法についても、人材派遣会社であるパソナグループは2019年2月末、早くも「外国籍人材定着支援サービス」に参入することを明らかにした。このサービスは外国人受け入れに伴う在留資格の取得手続きや、来日後の生活サポート、外国籍人材や受入企業日本従業員の人材育成プログラム、仕事や生活の悩みを専門家に相談できる多言語対応の相談窓口などを提供するものである。

ここに至って、私は次のように結論を下した。
竹中平蔵は、バブル崩壊後行き詰まった日本資本主義の中で、資本の先兵となり、派遣という労働形態を国家的保護(=癒着)の下に作り上げた。そして労働者の格差を増大させ、外国人労働者をも含めた低賃金労働者を資本の「剰余価値」を高める手段としたのである。竹中平蔵は新型コロナ流行という災害の中でも、巧みに国家に取り入っておのれの利益を貪ろうとしている。私はこれを「惨事便乗型資本主義」と呼ぶことにする。
▽東京新聞の風刺画(トリクルダウン)
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「アベノミクス」を推進した竹中平蔵氏は、2016年1月のテレビ番組で「トリクルダウンはない」と語っている。彼はコロナ禍で、ちゃっかりトリクルダウンの利益を得ているが、肝心のアベノミクスでトリクルダウンを否定し、とっくに国民を裏切っている。安倍首相の周辺にはこういった質の悪い詐欺師が群がっている。

コロナ禍で年金運用に大赤字
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は7月3日、2020年1~3月期の運用が4半期ベースで過去最悪となる17兆7千億円の損失を出したことを発表した。GPIFは我々の公的年金の積み立てを株式投資に運用する組織で、その資産額は何と150兆円である。安倍晋三は「アベノミクス」の一環として、2014年に株式投資の割合を24%から50%に拡大している。つまり最大で70兆円を超える資金を株の操作に突っ込むことができるわけで、いわゆる「官製相場」の操作を可能にしている。道理で景気が悪いのに株価は上がっているわけだ。
ところが2020年になって、コロナ禍にともなう世界的株安の影響で、国が大損をしたというわけだ。これは健全な資本主義とは言えない。以前私はドラマで「社員の給料を払うために競馬で勝負に出た中小企業の社長」の物語を見たことがある。しかし、一国の首相がこのような危険極まりない政策で年金資金を市場に投資して儲けを狙い、株価を操作しているのを見ると、新自由主義経済の断末魔の声を聞いているようで絶望的な気分になる。会計検査院は2019年の調査報告書で、「GPIFは収益が減少するリスクについて国民に丁寧に説明する必要がある」と警告している。安倍政権はIR法によりギャンブルの胴元となって儲け、リスクが大きい株式の操作で儲けようとしている。19世紀フランスの王ルイフィリップは「株屋の王」というあだ名で呼ばれたが、われわれも、このあさましい人物を「株屋のソーリ」と呼ぶことにしよう。

今じゃないでしょGo toキャンペーン今ココ
「Go toキャンペーン」とは、政府が個人の国内旅行代金の50%を支援し、そのうち35%分は代金から割引き、15%分は旅先で買い物、飲食に使える地域共通クーポンを配るというものだ。7月22日からとりあえず35%割引だけ実施することになっている。当初は8月実施だった計画が、7月に前倒しになったのだが、それを決定したのが東京で新型コロナ感染者が急増していた7月10日である。

5月25日、安倍首相は「流行をほぼ収束させることができた」と公言し、経済再生に向かって舵を切った。小池東京都知事も何だかよくわからない「東京アラート」を、何だかよくわからないうちに6月11日に解除したが、そのとたんに東京都内の感染者はじりじりと増加し、7月になると東京の感染者は1日に100人を超え、7月9~12日の間は連続して200人を超えた。小池知事は感染者数の増大を「夜の街関連の人々と若者」のせいにして市中感染の広がりを見て見ぬふりをし、何の対策も実行していない。その間、埼玉県などの首都圏各県でも明らかに東京由来と思われる感染者が増え続けている。

一方、政府は「イベント参加上限を5000人または収容率50%に拡大」などの自粛緩和と経済活性化策を打ち出し、7月中旬には「約10か国・地域と出入国制限緩和に向けた交渉」を開始し、そして「Go to」である。総合的な防疫対策など何もやっていない中で、経済活性化政策だけがまかり通る。
菅官房長官は「市中感染は広がっていない」という認識の下で、7月以降の感染者の増大を「圧倒的に『東京問題』と言っても過言ではないほど、東京中心の問題になっている」と、感染者増大の責任を東京都に擦り付けるかのような発言をし、これに対して小池都知事は「冷房と暖房の両方をかけることにどう対応すればいいのか。整合性を取るのは国の問題だ」などと皮肉った。いやはや、リーダーとなるべき人が責任のなすり合いをしているのが日本の現実なのである。

日本では基本的な検査体制は相変わらず貧弱で、感染者を受け入れる病院も病床は大して増えておらず、再度の爆発的流行が来れば、支えるべき医療体制はたちまち崩壊することは目に見えている。特に地方都市は弱体である。「備えあれば患いなし」というが、肝心の備えはなく、逆に「Go to=出掛けなさい」によって国民に外出を促し、旅行を推進しようとしている。第1波の時と同じことが繰り返されようとしている。これでどうして安心して旅行に行けようか?どうして地方は観光客を迎え入れることができようか。

奇妙なのは「Go to」は、4月7日に予算案が閣議決定されていることだ。4月7日と言えば、政府が緊急事態宣言を出した日である。つまり、安倍政権は一方で「ステイホーム」(安倍首相も出演)の大合唱の中で、他方では「Go to=出掛けなさい」を決めたことになる。更に、当初8月実施であったはずのキャンペーンが7月に前倒しになったことも不可解だ。Go toキャンペーン総額は約1兆7千億円。業者への旅行割引の事務委託費だけで1900億円である。「これは何か裏があるのか?」と勘繰られても仕方がない。

全国の知事はGo toキャンペーンにこぞって疑問を投げかけている。青森県むつ市の宮下市長は次のように述べている。
「人が動かなければウィルスは動かない。ところがGo toキャンペーンは人を動かす。我慢してきたことが水泡に帰す。これで感染が拡大すれば人災だ。」「国や県がどういうキャンペーンをやろうが、市役所には市と市民を守る責務がある。来るリスクがあるなら閉じるしかない。法的にできることは最大限やる。」
ちなみに、これまでの、むつ市の感染者はゼロである。
山形県の吉村知事は次のように述べている。
「首都圏での新型コロナウイルスの感染状況などを踏まえると、この時期に全国一斉にスタートするのはいかがなものか。地方としては手放しでは喜べない。全国一律ではなく地域の実情に合ったやり方を地方に任せていただければありがたい」と述べ、ウイルスの感染拡大に懸念を示した。
大方の知事は同じような意見である。豪雨被災地の復興が緊急の課題になっている時に、政府は何と愚かな政策を推進しようとしているのだろう。本来ならば、外出する可能性のある首都圏の無症状感染者を割り出し、隔離しなければならないのに、政府は反対のことをしている。安心して旅行に行くことができ、安心して観光客を迎える時は今ではない。

結局Go toキャンペーンは東京を除外して7月22日から強行されることになった。ところが、今度はキャンセル料も国民が負担すべきかをめぐって大混乱。設計図も書かないでいきなり家を建て始めるような政府の無能ぶりがまたしても暴露されることとなったのである。
▽7月14日東京新聞の風刺画
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