ジュン爺日記 since2006

アクセスカウンタ

zoom RSS 「国家戦略特区」という名の私利私欲

<<   作成日時 : 2017/07/24 21:43   >>

ナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

24日、衆院予算委員会で、閉会中審査の質疑が行われたが、一つ気になったことがある。それは安倍首相の答弁ではなく、民進党玉木雄一郎氏の質問の基本的姿勢である。玉木氏は「国家戦略特区けっこう、大いにやったらよろしい。私も賛成だ」という趣旨の発言をしていた。加計学園が特区事業者に選ばれる過程の問題追求という戦術的な狙いがあるのかもしれないが、ここで疑問が生じるのである。

「国家戦略特区とは本来どのようなものであり、それは正しい政策なのか?」
この疑問に応えたのが『世界』8月号「国家戦略特区の実相とは」(郭洋春・奈須りえ・内田聖子対談)である。

国家戦略特別区域法は第二次安倍政権の下、2013年12月に施行された。これはアベノミクスの「三本の矢」のうち、「成長戦略」として位置づけられた。企業の自由な活動を促進させるため「岩盤規制を破壊」し、それを通じて経済成長を成し遂げようとする新自由主義的な政策である。実施から三年が経過し、現在全国で10か所の特区があり、242の事業が稼働中である。
「いつの間にそんなになっているのか?」と国民は驚くかも知れないが、それもそのはず、国家戦略特区は首相・官邸のトップダウンによって進められており、膨大な国民の税金を使いながら「地域住民との協議」などという民主的手続きとは無縁だからである。

次に、「国家戦略特区は経済効果をあげているのか?」という疑問が生じる。答えは否である。目立った効果は出ていない。最大規模の特区は80件の事業数を有する東京である。安倍政権は「東京圏では4年間で4兆円の経済効果があった」と発表しているが、そのほとんどはオリンピックのための大手ゼネコンによる公共インフラ整備によるもので、国家戦略特区のおかげではない。逆に言えば我々は「オリンピック誘致の真の狙いはそこにあったか」と気づくのである。また東京と地方の格差を助長するのではないかという危惧も生まれる。

また、特区に参入した企業と言えば、新潟の農業特区に入った「ローソン・ファーム」や東京圏に進出した竹中平蔵氏の「パソナグループ」などであり、当初の目的であった「外資」は一件も入っていない。竹中平蔵氏は「国家戦略特区諮問会議」のメンバーだから、結局、自分たちで提案し、自分たちで事業応募者になるという、驚くべき事態が国家戦略特区でまかり通っているのだ。

更に、国家戦略特区の根本的な欠陥としては、多くの事業で数値目標が設定されず、「規制緩和」だけを目的化してしまっているということだ。「規制改革メニューをたくさん活用しているから良い」という、これまた驚くべき評価がまかり通っている。規制緩和が全国展開すれば、行き着く先は完全な市場原理社会である。全国「総ブラック企業」化か。

最後に、「獣医学部新設は経済成長に役立つのか?」という疑問。飽和状態に達しているために新設が認められなかった獣医学部が「新しい成長産業に」につながるはずもなく、経済的な波及効果も期待できない。国家戦略特区は、首相の「お友だち」への利益供与の手段に堕落したのである。そもそも、国家戦略特区は、日本経済を牽引する新しい成長分野を開拓するという目標を設定したはずであり、「地方活性化」のためのものではない。

アベノミクスは一向に効果を表さず、その根幹にある国家戦略特区の目標も失われ、迷走し、堕落して行く。もはや安倍政権の命運は尽きたと言えるだろう。

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
「国家戦略特区」という名の私利私欲 ジュン爺日記 since2006/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる