アベノマスクも再処理工場新基準適合判断も根は同じ。やめられないのだ。

新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、政府は7月30日から、介護施設などを対象に布マスク約8000万枚を追加で配布する計画(総費用247億円)だった。しかし、「税金の無駄遣い」「有難迷惑」という国民の批判はすさまじく、結局、配布時期を延期し、介護施設などの現場の意向を確認したうえで布マスクの支給を行い、必要とされない場合は備蓄に回すことのようだ。「恥の上塗り」とはこのことだ。「あれほど不評で、国民の不信感を招いてしまったアベノマスク配布をなぜやめられないのか?」という疑問も湧いてくる。

核燃料再処理工場と「核燃料サイクル」。アベノマスクよりも遥かに大規模な計画が20世紀末から推進されてきたが、この期に及んでもまだやめられないようだ。原子力規制委員会は7月29日、再処理工場の安全対策が新規制基準に適合すると判断した。
青森県六ケ所村の核燃料再処理工場は「核燃料サイクル」の中核となっている。すなわち、国内の各原発から出る使用済みウラン燃料は再処理工場でプルトニウムとウランを取り出し、プルトニウムを原料とした高速増殖炉を運転するはずだったが、1兆円の開発費を投入した「もんじゅ」が廃炉となり頓挫。政府は国民の非難をかわすため、プルトニウムとウランを混ぜた混合酸化物(MOX)燃料を原発で使用するという「プルサーマル」計画を進めようとしたのだが、2011年の福島の原発事故以後、原発の再稼働がままならず停滞。そもそもMOXは通常のウラン燃料と比べ冷えるまでに時間がかかり、有害な放射性物質は格段に多い。再処理にもコストがかかる扱いにくい燃料なのである。

再処理工場の事業費は13兆9400億円。MOX燃料を作る工場の建設費は2兆3300億円で合わせて16兆2700億円となる。事業費は各電力会社が負担するはずだが、とても足らず、足らない分は国民が支払う電力料金に上乗せされるだろう。六ケ所村の再処理工場は1997年までの工期を見込んでいたが、放射性物質を含む水漏れなどのトラブルで24回延期されている。また、高レベル放射性廃液にガラスを混ぜる「ガラス固形体」の製造試験で不具合が生じている。

六ヶ所村の再処理工場・MOX燃料工場は未完成。核燃サイクルの中核高速増殖炉も瓦解。高レベルの放射性廃棄物は増える一方だ。英国やフランスなどに再処理を委託した分のプルトニウムは増え続け、日本のプルトニウム保有量は海外保管も含めると45トンに及ぶ。
日本は国際社会に「プルトニウム削減」を提唱しているにもかかわらず、国内の使い道が決まらず右往左往している。
「夢の核燃料サイクル」は既に崩壊しているのに政府は決してそれを認めようとしない。一度始めたものはやめられないのである。それは「原子力村」と原発関連施設が存在する地方自治体を中心とした経済的利害が既に出来ているからだろう。

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