「サクラを見る会」追及には熱心だが日韓問題は貝になる野党

2019年11月22日、韓国政府は軍事情報を日韓で共有する協定(GSOMIYA)の破棄通告を停止し、協定の失効はぎりぎりで回避された。こうなったのは米国が韓国に対し「協定の失効は北朝鮮と韓国を利するだけ」と強く働きかけたからである。しかし、これは根本的な問題の先延ばしに過ぎず、日韓対立の原因は何ら解決していない。

この間、日韓におこった事件を年表風にまとめてみた。
《日韓対立年表》
2018年10月、済州観艦式での旭日旗掲揚を巡る対立。海自は観艦式に参加せず。
同年10月、元徴用工訴訟で韓国最高裁が新日鉄住金に賠償命令
同年11月、韓国政府が慰安婦問題の日韓合意に基づき設立した財団を解散すると発表
同年11月、元徴用工訴訟で、三菱重工業に対し賠償命令。
同年12月、レーダー照射問題

2019年1月、日本政府、日韓請求権協定3条に基づく二国間協議を申し入れる。
同年1月、新日鉄住金の資産差し押さえ(強制執行)を認める決定。

同年3月、三菱重工の資産差し押さえを認める決定。
同年3月、不二越に資産差し押さえを認める決定。
同年3月、原告代理人、差し押さえた新日鉄住金の資産について、現金化するための売却命令の申請は先送り。
同年4月、福島原発事故に関連した日本産水産物の輸入禁止についての世界貿易機関(WTO)の審議で日本が敗訴。
同年5月、日本が第三国の委員を含む仲裁委員会の開催要請。韓国は回答せず。
同年6月、韓国が日韓両国企業の出資を柱とした案を提示。日本は拒否。
同年7月、日本政府、半導体などの対韓輸出規制強化を発表。8月中には韓国を輸出先として信頼する「ホワイト国」から外す方針。
同年7月、韓国国内で日本商品ボイコット運動広まる。
同年7月、河野太郎外相、駐日韓国大使に対して「極めて無礼だ」と発言。
同年7月、交渉要請に応じなかった三菱重工に対し、原告側が三菱の韓国国内資産の現金化手続きを進めることを決定。
同年8月2日、日本政府は安全保障上の輸出管理で手続き簡略化など優遇措置を適用する「ホワイト国」から韓国を除外する政令改正を閣議決定した。
同年8月23日、韓国政府は日本政府に対して、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄すると通告した。11月に失効予定
同年11月22日、韓国政府は日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に関し、失効を停止する方針を日本側に伝えた。日本が厳格化した輸出管理措置については、世界貿易機関(WTO)への提訴手続きをとめる。日韓間で輸出管理措置の政府間協議を開く。

《日韓対立の原因》
〇日韓対立の根本原因は2018年10月の元徴用工訴訟判決である。
〇この裁判は元徴用工個人が戦争責任を負うべき日本企業を訴えた民事訴訟である。
〇この裁判で、個人が勝訴し、企業に賠償命令が下った。
〇ところが、安倍政権が介入し、水面下で「絶対に賠償するな」と指示した。つまり「判決に服するな」ということだ。そして「この問題は1965年の日韓請求権協定で解決済みだから、韓国は国際法違反だ」とした。民事訴訟が政治外交上の問題に発展してしまった
日本政府は日韓請求権協定3条に基づく二国間協議を申し入れた。
〇韓国文政権は「レーダー照射問題」もあり、迅速な対応ができず、「静観・先のばし」を図った。
〇原告側は判決後も企業に対して何度も話し合いを求めたが、企業側が頑として応じなかった。安倍政権の刺した「クギ」がとても効いていたのである。
〇原告側は企業側が話し合いに応じないのを見て、企業資産を差し押さえた。
〇7月、日本政府は突然、対韓輸出規制を発表し、続いて8月に、韓国を「ホワイト国」から外した。一民事訴訟が政治外交問題に発展し、更に経済問題となった。対韓輸出規制の理由は非常に曖昧で二転三転したが、「報復措置」であることは明らかだった。これが最大の問題点である。
この安倍政権の強圧的外交は、それまで比較的冷静だった韓国ナショナリズムに火をつけてしまった。韓国国内に不買運動が広がり、訪日韓国人観光客は前年度比65.5%減少。地方経済に打撃を与えた。韓国から撤退する日本企業も出始めた。
〇文政権が軍事上の協定であるGSOMIYA破棄を通告してしまったことは悪手である。これは、文政権が日本に対して「対韓輸出規制は徴用工問題の報復」と非難したことが、そのまま文政権にあてはまってしまうことになる。更に、米国の介入を招き、結局撤回したことは、韓国国民の文政権への信頼性を欠くことになってしまった。

この間、一部の市民団体が安倍外交を批判したが、日本の野党は終始沈黙した。マスコミはひたすら文在寅大統領への個人攻撃を続け、韓国蔑視のムードを煽った。安倍政権は議会を無視し、閣議決定によって独走し、結果として日韓関係は最悪の状態に陥り、観光業を中心として日本経済に打撃を与えてしまった。私は主権者の一人として、「安倍政権の対韓方針は正しいのか?」という明確な指針を野党に示して欲しかったのだが、少なくとも私の知る限りでは皆無である。「GSOMIYAは必要か?」という議論だってあって良いはずだ。
現在、野党は「桜を見る会」追及に躍起となっている。確かにこの問題は民主主義の根幹にかかわる重大問題である。しかし、2018年末からほぼ1年間、安倍外交によって日韓関係がどんどん悪化して行ったにもかかわらず、野党が何の発言もせず手をこまねいて見ている状態では、ひたすら無力感さえ覚え、「安倍政治を倒す」なんて、夢のまた夢だろう。

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