「地震鬱」?

本日の「朝日歌壇」より

被災地を視ては夫婦で涙ぐむ温き部屋にて熱き物食べ
              (飯田市)草田礼子さん

ジェットコースターみたいな感情の激しい起伏、強い共感による涙、自分が何もできない焦燥感、平穏な環境に居ることの罪悪感・・・日本人の今の日々を言葉として吐き出せば、このような短歌になるのだろう。これは今までにない体験である。

毎日、TVの震災報道を見続けると、「被災したわけではないのに、震災後は仕事や勉強が手につかない、震災の映像を目にすると涙が出てくる、食欲が湧かない」といったうつ病のような症状が、多くの人に出て来ているようだ。この病名を名づければ「地震鬱」といったところか。

スピッツの草野正宗もそのような状態に陥ったらしく、メディアによれば「急性ストレス障害」でダウンしたことが28日報じられた。草野は11日に起きた東日本大震災での大きな揺れや、余震、被災地の被害状況、福島第1原発事故の問題などで、過度のストレスがかかったという。

アートを志す人間にとっては、我々以上の精神的動揺が起っているのだろう。被災地とは全く無縁の凡人である私ですら、2週間の間、ジョギングをしたり、笛を吹いたり、読書をしたりする気になれなかったのだから。ただ、ひたすらTVの報道を見続けていたのである。26日の群響のコンサートに行った頃から、ようやく日常を取り戻してきたような気がする。

原発事故の状態は、依然として予断を許さないし、被災地の生活は未だ「復興」という段階ではない。

とは言うものの、「今、自分にやれることは何なのだ?」と問いかけた時、「被災地への共感を保ちつつも、各自の仕事を全うする」ことが真の支援になるのだと思う。

そして、「1000年に1回」の大変動を各自が自分なりにとらえることで、その総和が社会の大きな転換の力になって行く予感がする。そうあって欲しい。

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