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zoom RSS 水増し愛国主義・ノーベル文学賞決定によせて

<<   作成日時 : 2017/10/07 09:42   >>

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2017年のノーベル文学賞に、日系イギリス人で世界的なベストセラー作家のカズオ・イシグロ氏が選ばれた。イシグロ氏は1954年に長崎で生まれ、5歳のとき、日本人の両親とともにイギリスに渡り、その後、イギリス国籍を取得している。日本語はほとんど話せない。

10月5日夜の「報道ステーション」では、冒頭からこの話題を延々と続け、「日本出身」の作家の受賞を称えた。おそらく他のTVニュースも同様だっただろう。新聞社は「号外」まで出して、祝福した。
日本人でイシグロ氏の作品を読んでいる人はどのぐらいいるのだろう。海外文学に疎い私は彼の名前さえ知らなかった。急いで彼の作品を購入する人も多いだろう。

マスコミが使う「日本出身」という言葉から、私は妙に落ち着かない気分になる。
「稀勢の里が横綱に昇進した時、メディアは“日本出身横綱19年ぶりに誕生”と書いた。なぜ“日本人”でなく“日本出身”なのか。それは1999年に日本国籍の武蔵丸が横綱になっていたからである。武蔵丸は“純粋の日本人”ではないから、“日本人横綱は武蔵丸以来18年ぶり”とは書かなかった。」
「メディアが“日本出身”と表現し始めたのは、2014年のノーベル物理学賞での“日本人三人が受賞”との誤報がきっかけだった。受賞者中の中村修二氏は米国籍で、ノーベル財団もそう発表していた。これは“日本ボメ”による水増しである。この時、ある週刊誌は、“韓国・中国よ、それじゃノーベル賞なんて無理だ”という見出しを付け、韓国、中国のノーベル賞受賞者の少ないことを勝ち誇ったように書いた。」(「世界」20174月号《現状肯定の「日本ボメ」現象・安倍政権支える排外主義》岡田充より)

「純粋な日本人」「純粋ではない日本人」という発想は、今日のようなグローバル世界では奇異に感じるし、そこには日本に根強く残る排外主義が潜んでいるような気がするのである。マスコミはイシグロ氏の中に「日本人」を見つけることにかなり「無理な努力」をしたようで、彼が長崎市の桜ヶ丘幼稚園で、年少組のときの担任だった女性まで引っ張り出してコメントを引き出している。半世紀以上も前の話なのに。

受賞したイシグロ氏は次のように述べている。
「自分をイギリスの作家や日本の作家と意識したことはありません。作家は一人孤独に作品に向き合うものだからです。もちろん私は日本からもイギリスからも影響を受けてきましたから、自分自身を国際的な作家と考えたいです。」
国際主義を標榜する作家と、ナショナリズムのくびきから脱することのできない日本マスコミ。両者の深い溝を感じて、私は落ち着かないのである。

追記》安倍首相は「長崎市のご出身で、小さい頃に英国に渡り、作家活動を行ってきた。日本にもたくさんのファンがいる。ともに受賞をお祝いしたい」とコメントをした。しかし、ICANのノーベル平和賞受賞に対しては沈黙している。なぜだろう?

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