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zoom RSS ブリューゲル「バベルの塔」展に行く

<<   作成日時 : 2017/06/27 21:53   >>

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ボイマンス美術館所蔵
ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルランドの至宝ーボスを超えてー
東京都美術館 2017年4月18日〜7月2日(日)

本展覧会の「目玉」はブリューゲル「バベルの塔」だが、実際にはブリューゲルに多大な影響を与えたヒエロニムス・ボスからブリューゲルに至るネーデルランド絵画の歴史を展示している。

地下1階は16世紀ネーデルランドの彫刻や、油絵という画期的技法による画題の変化が提示されている。聖母子画や聖人画などの宗教画がほとんどだが、次第に風景画が描かれるようになる。
1階はヒエロニムスボスの初来日の2作品の展示と、彼の死後の「ボスのように描く」ことの流行を表す版画。そしてブリューゲルの登場。ブリューゲルの作品はすべて版画である。ボスの絵の拡大写真もあり、絵の理解に役立つ。
2階は「バベルの塔」のみ。芸大学生が作成した巨大な複製画コーナーもある。「3DCG映像シアター」は非常に面白い。

▽ヒエロニムス・ボス(1450頃〜1516)作《放浪者(行商人)》(1500頃)油彩
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貧しい行商人(「放蕩息子」という解釈もある)が娼館の前を歩いている。左足はサンダル、右足はブーツ、背負い籠には猫の皮や木の杓がぶら下がる。多分、商売道具だろう。背景の建物の屋根には水差しが刺さり、鳩小屋、白鳥の看板がある。誘惑する娼婦、小便をする男。この行商人はそこから出てきたのか、それとも入ろうとして逡巡しているのか?ボスの絵は当時の寓意が込められ解釈が難しい。ボスの特徴である怪奇なる者達はこの絵には見当たらない。

▽ヒエロニムス・ボス作《聖クリストフォロス》(1500頃)油彩
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「クリストフォロス」とは「クリストを背負った者」という意味である。巨人レプロブスは一人の男の子を背負い川を渡るが、その少年が次第に重くなり、レプロブスは川に立ち尽くす。少年は言う。「お前はこの世界の創造者を背負っている」と。杖から新芽が出てくるという奇跡が起こる。ぶら下げている血を流している魚はクリストの殉教を表す。背景に怪物が描かれているが、これは「迫り来る危機」を表し、木に吊るされた熊は「迫りくる危機が去った」ことを意味している。

▽ピーテル・ブリューゲル1世(1526頃〜1569)《聖アントニウスの誘惑》(1556)版画
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聖アントニウスは3世紀エジプトの修行僧である。修行・苦行を重ね聖人となった。多くの画家が題材としているが、ブリューゲルは「ボスの様に描く」ことを意識しながら、聖アントニウスを誘惑する怪物・異形の者達を大変ユーモラスに描いている。

▽ピーテル・ブリューゲル1世《バベルの塔》(1568頃)油彩
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創世記第11章を題材とする作品。ブリューゲルの「バベルの塔」は2作品あるが、これは晩年のもので、こちらの方が完成度が高い。巨大な塔と背景の構図が見事であり、また、塔の内部の微細な描写も丁寧に描き込まれ、まさに「ミクロとマクロが交差する巨大な構築物」である。見る者を圧倒する作品だ。

〇すぐに入場できたが、「バベルの塔」だけは行列整理が行われていた。私は並ばず列のやや後ろからじっくりと見たが、細かい所までは見えず「双眼鏡を持って来るのだったな」と悔やんだ。もっとも行列組の方も「立ち止まらないでください」状態であった。

一番気に入った作品はこれ。「枝葉の刺繍の作家」作《聖カタリナ》(1500頃)
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殉教者聖カタリナはアレクサンドリアの伝説的な聖人。キリスト教が迫害されていた時代、ローマ皇帝の皇后をキリスト教に改宗させ、皇帝が送り込んだ50人の異教の賢者を論破したという。
刺繍の質感がすばらしく、絵全体の気品を高めている。もしかしたら作者はこの刺繍が描きたかったのかもしれない。右手の剣は処刑されたことを暗示している。

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